【47都道府県】全国の理学療法士会メッセージ

鳥取県理学療法士会

士会の紹介

鳥取県理学療法士会は1972年に18名で設立されて以来、会員数が少ない士会の3番以内を絶えず維持している士会です。もっとも近年の理学療法士数の増加により、劇的な会員数の増加を遂げましたが、他士会の増加率に比較してもとりわけ顕著なわけではなく、日本一人口が少ない鳥取県ゆえに当然なことで、今後も「有数の少数士会」の位置は変わらないと思います。小回りが利く少数士会ならではの特徴もあり、会員が勤務している施設数も少ないため、情報が共有しやすいことが特徴の一つです。それは士会が提供する新人教育の履修率が全国でトップクラスであることや、地域包括ケアに関わるリーダー養成も既に会員の1/5が取得していること、毎年の県士会学会も会員の1/5が参加していることにも表れています。また最近問題になっているリハビリテーションに関わる報酬の返戻・査定問題に対しても会員施設の積極的な協力により、士会に情報が寄せられていることにも表れています。これらは少数士会の長所だけでなく、会員の意識の高さと理事の活動の賜物だと思います。

以前「日本理学療法士協会の会員番号は鳥取県士会から始まっている」と聞いたことがあります。確かに日本理学療法士協会会員番号1は当士会に在会されていました。「凄い!」と感動しましたが、当時各士会から出される名簿が一番少なかったため、協会事務局が手を付けやすかったと聞いております。こんなところにも少数士会の特性が出ております。


これまでの士会活動を振り返って

鳥取県士会活動を振り返り、現在の士会に成長するまで(ここでは勝手ながら成長と思わせて下さい…)、大きな転換となった出来事が4つ挙げられます。1つめは平成6年、御厨会長の時に県内初の理学療法士養成校YMCA米子医療福祉専門学校が設立され、平成10年には第1期の卒業生が入会したことです。当時士会での説明会では「黒船襲来」という雰囲気で、あまり歓迎されていなかったのですが、時を経て現在では士会運営の中核といっても過言ではありません。2つめは平成10年、山崎会長の時に第33回全国研修会が開催されました。ほぼ全士会員が研修会の運営に関わり、大盛況であったことは「協力すれば少数士会でもできる」という士気の高まりを感じました。3つめは平成21年、豊田会長の時に晴れて法人化を遂げました。当時増加の一途をたどる会員数にもかかわらず有資格者の「任意の集まり」であったのが、法人化したことにより学術活動と社会活動を両輪とした職能団体であることを再認識し、対外的にも「県民に対して理学療法士が有益な貢献するには何をすべきか?」という視点をより一層強く意識するようになりました。加えて「他の職能団体とも互角に渡り合える組織になるには?」ということも考えるようになりました。最後の4つめは平成21年、福井会長の時に参議院選挙で民主党選出の山口議員が見事当選したことです。当時理学療法士に対する向かい風が強くなりつつある状況で、日本理学療法士協会選出の山口議員が当選したこともさることながら、直接的な選挙活動が出来ない士会が、士会員に「理学療法士の危機的状況」を幾度となく丁寧に説き、理解が得られ、鳥取県理学療法士連盟との協力体制が確立したことは大きな出来事でありました。

このような転機が鳥取県理学療法士の成長を表す出来事だったように思われます。


士会の今後に向けて

本会の目的は「理学療法の学術技能を研鑽し、理学療法士の資質の向上と職業倫理の高揚に努め、鳥取県における理学療法の普及向上を図り、県民の医療・福祉・保健並びに健康増進に貢献すること」と掲げています。つまり社会活動と学術活動を両輪とした職能団体でその活動は県民(あるいは国民)の有益性に付与されなければなりません。2025年問題という言葉を聞かない日はない現在、我々理学療法士も大きな影響を受ける職業の一つに違いないでしょう。現に鳥取県では既に高齢者人口が減少しつつあり、いち早く2025年問題に直面しているかもしれません。そして理学療法士としての力量が問われる地域包括ケアが導入される状況はビッグチャンスになるか、あるいはピンチになってしまうのかもしれません。

先日、偶然にも理学療法士養成校の学生と話す機会がありました。彼は鳥取県士会が公益事業の一環として行っている高校野球サポート事業でケアを受けた元高校球児で、お世話になった理学療法士という仕事に興味を持ち、夏休みに施設や病院に見学に行って、「患者や利用者が動けるようになってどんどん笑顔になっていく。困っている人の役に立ちたい。絶対にこの仕事に就きたい。」と思って入学したらしいです。恥ずかしながら小生は士会長にして、協会の掲げる「笑顔をあきらめない。」を、よもやの学生に教えられました。

 今後も我々鳥取県士会に乗り越えなければならない課題が待っているに違いないでしょう。しかしながら難題を乗り越えていくたびに成長した経緯があり、更なる組織力と適応力が必要ではないかと考えます。それには会員皆様の御理解御協力が不可欠でございます。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。

  • 2014年 鳥取県理学療法士学会
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    毎年秋季に開催される県士会主催の学会

  • 2014年全国高校野球選手権大会鳥取大会 メディカルサポート
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    高校野球選手のコンディショニングや観客の熱中症等をサポート

  • 2015年鳥取県「理学療法の日」イベント
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    「理学療法の日」イベント 県民の健康と生活をサポート


一般社団法人 鳥取県理学療法士会
会長 三谷 管雄
概要
名称一般社団法人 鳥取県理学療法士会
設立年1972年(昭和47年)
会員数605名(2015年4月1日 現在)
Webサイトhttp://tori-pt.com/
鳥取県理学療法士会の思い出レポート一覧
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