【47都道府県】全国の理学療法士会メッセージ

島根県理学療法士会

士会の紹介

島根と言う土地をご存知ない方が多いと思います。会員数では、常に最下位から2、3位を争っているジミな理学療法士会です。自虐的に言えば広島県の上、鳥取県の左になります。島根県として有名なものは出雲大社とテニスの錦織圭選手でしょうか。全国美肌NO.1にもなっており美人会員(?)の多い理学療法士会でもあります。

島根県理学療法士会の誕生は、昭和47年、数名の理学療法士で結成されました。その後徐々に会員が増え平成23年に480名の会員で法人格を取得しています。会員の6割が男性、約半数が30歳以下の非常に若い集団です。そのため研修会や勉強会では、積極的に知識の吸収に勤しむ若い会員が多いのも特徴です。ただ、島根県は東西に長く、また隠岐の島という離島もあり、会員の勤務地は都市部に集中しており会員分布には偏りが大きいことも事実です。

当士会では、30歳代の会員が元気よく士会を牽引してくれています。各部の部長や副部長となり企画・運営にあたっています。中でも学会とは別に経験年数の浅い会員を対象にGreen Academyという演題発表と教育講演を軸とした取り組みを始めています。中堅どころが若手の育成を行い、いずれは県学会やブロック学会、全国学会等に挑戦してくれることを祈っています。そしてこれらの活動が次に継承されて行くことを期待しています。

  • グリーンアカデミー
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    新人会員の発表の機会:平成26年度Green Academyの1コマ


これまでの士会活動を振り返って

一番印象に残っているのは昭和63年度日本理学療法士協会全国研修会を県都松江市で開催したことです。全国研修会を引き受けた時には、県士会員は40名にも満たない状況でした。それまでの全国研修会では幅広い領域にわたる研修内容で会場も広く、多くの参加者がありました。島根県では、会場の制限や運営する人の問題もあり、テーマを「痛みに対する理学療法」として、焦点を絞って開催したところ予想を超える参加がありました。前日には台風のため天候が荒れましたが、大会当日は好天に恵まれ無事終えることができ、やりきった充実感を味わうことができました。今では全国規模の大会誘致は困難ですが、当時は少ない会員でも開催できたことにやればできるという自信をつけることもできました。

次は、法人格を取得したことがあげられます。任意の団体として活動していましたが、他の都道府県理学療法士会が法人化する中、当士会も責任ある職能団体としてスタートをきりました。学術団体としての活動はもとより、積極的な社会貢献を推し進める転機になりました。体協や高野連からのサポート依頼が増え、国体等に帯同する会員も増えてきました。また、この時に理学療法士を知った高校生が理学療法士を目指すことも増えてきています。

理学療法士が中心となって研修会や勉強会を開く機会も増加しています。リハ関連や介護職等も含めてスキルアップに努め社会貢献を行っています。

  • 第23回日本理学療法士協会全国研修会
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    全国研修会終了後島根県士会員での記念写真


士会の今後に向けて

日本理学療法士協会が抱える問題点は、各都道府県理学療法士会の問題でもあると思います。各理学療法士会が問題点を解決して行けば協会の問題点もおのずと減少してくると思います。当士会は、会員数600名と少ないが故に小回りの利く団体と考えます。この特徴を活かし、小粒でもピリリとした何かを発信できればいいなと考えます。協会が考慮する問題点、特に組織率の向上、地域包括ケアシステムの推進、人材育成について当士会が取り組む主な柱と思います。

当士会には、毎年50名程度の新入会がありますが、ある程度経験しこれから中堅どころとして活躍してほしい時期に結婚や出産を契機に休会、退会する会員がいます。経済的負担が理由と推察しています。育児休暇を取得される会員には、協会に合わせ割引制度を次年度より開始します。理学療法士同志で結婚される方も少なくなく、今後士会レベルで夫婦割等の検討も必要と思います。必要に応じリカレント教育も考えて行きます。また、士会活動においても独特な地形、風土でありますが会員が公平に受けられる取り組みを検討して参ります。

地域包括ケアシステムに関しては、副会長、担当理事を中心に今年度さらに取り組みを強化します。県や作業療法士会、言語聴覚士会と協力して市町村に積極的に働きかけます。日本一の高齢県でもあり、我が県が本来ならば率先して取り組むべき課題と考えます。このシステムの実施主体は、市町村であり迅速に対応するためにはブロック機能の強化が望まれます。ブロックによる人事交流や情報交換をもっと積極的に推進して行きます。

最後に人材育成ですが、認定、専門理学療法士の数が少ない現状に生涯学習部を中心に対策を講じて行きます。学術局には研究班がありますのでこれらをさらに充実させ認定、専門療法士を目指す道筋を検討したいと思います。

  • 介護予防の一場面
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    雲南の地域医療を考えるシンポジウムのブースにてロコモチェックをしている場面


2015年7月16日
一般社団法人 島根県理学療法士会
会長 内田 賢
概要
名称一般社団法人 島根県理学療法士会
設立年1972年(昭和47年)
会員数586名(2015年4月1日 現在)
Webサイトhttp://www.pt-shimane.jp/
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