【47都道府県】全国の理学療法士会メッセージ

三重県理学療法士会

士会の紹介

三重県理学療法士会は、東海士会の発展的解散に伴い1979年に僅か6名の会員にて誕生しました。発足当初は会員が少なく予算額が少ないため、事業の活動は、士会員全員参加により多くの場合自弁で士会活動が行われていたと伺っています。その流れは今も引き継がれており、この伝統を守り手作りの士会活動をすることによって一致団結した士会となることを願っています。

三重県の理学療法士の職域を振り返ってみると診療報酬が簡単複雑による請求がされていた頃は、病床の機能分化がなく急性期の患者と慢性期の患者が混在していた時代がありました。当時の理学療法士は、院内のチームの一員として精一杯、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がリハビリテーションの専門職種であることを他のスタッフに啓蒙していました。また2000年の介護保険制度が施行されるようになると、残存した能力障害を持つ高齢者に対するリハビリテーションの領域にも従事するようになり、県内の老人福祉関係施設系にも職域を伸ばす様になりました。理学療法士は、地域すなわち在宅の高齢者に対する地域リハビリテーションに貢献する様になって参りました。

しかしながら、地域包括ケアのチラシに「リハビリテーション(理学療法)は重要です」と記載はしてありますが、そのチラシの主要構成メンバーに理学療法士の名称はなく、チーム員として迎えられていない場合が多いようです。今、三重県内の地域(市町)は「地域支援事業実施」に向かって進んでおります。三重県士会は、これを絶好の機会としてとらえ、コミュニティーでの高齢者に対して「健康づくり」「介護予防」を行っている関連団体とチームを組めるように、そして地域包括ケア推進会議の参入を足がかりとして、県・市町との連携を深めリハビリテーションの主要な職種は理学療法士であることを強調していく努力をしていく所存です。


これまでの士会活動を振り返って

三重県理学療法士会は多くの諸先輩方の努力によってよくまとまり、人材も確保され経済的に安定した組織に成ってきておりますが、社会的には任意団体でありました。そこで、2011年4月に一般社団法人三重県理学療法士会として法人格を取得し、社会的に責任にある組織として再出発しました。三重県士会の目指すものは「理学療法士の質の向上と理学療法の普及」です。

理学療法士の質の向上を目指し県士会員の学術の向上を図るための研修会を無料化し、専門理学療法士を増やすことを目指しております。そのために学術雑誌「理学療法みえ」を発行すべく準備をしております。原稿も出そろい近日中に初版が発刊致します。三重県士会理事会は会員が論文による報告ができるよう、そしてその論文により理学療法の発展と繋がるよう応援して参る所存です。また、県内の理学療法の普及に対しても毎年市民公開講座あるいは理学療法士週間に連携し、市民・県民に対し「介護予防特別研修会」、「リハビリフェスタみえ(理学療法士会・作業療法士会・言語聴覚士会共催)などを開催しております。加えて本年は消費税増税による社会保障の財源からの地域医療介護総合確保基金に多くの事業を企画申請致しました。それは理学療法士により一般県民に対し、あるいは看護・福祉関連職種に対し“高齢者の残存した機能改善”、“介護者の負担軽減”のための実技指導、あるいは施設職員・在宅の介護者(家族)の腰痛問題解決などについて数多くの提案をしています。そしてそのことにより理学療法の普及に繋がり、職域拡大となるよう努力して参ります。

  • 介護予防特別研修会
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    理学療法週間のイベントとして「介護予防特別研修会」を三重県士会の主催にて行なっている様子。写真は理学療法士が運動教室をしていますが、後援には県・医師会・伊勢市などがあり、市町と連携して研修会を企画運営しました。

  • 三重県内の理学療法普及のため
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    介護予防研修会にて市民に、地域包括ケアシステムの重要性、介護予防のために運動教室参加が重要との説明をしています。加えて日常生活の悩みも拝聴しています。


士会の今後に向けて

三重県理学療法士会の抱負

現在、三重県内の理学療法士の有資格者は飛躍的に増加しており、県士会員の平均年齢は30歳にも至っておりません。そのため、「会員の資質の向上や人材育成」を第一課題と考え、三重県士会として新人教育研修会を毎年数多く開催することに務めて参りました。また団塊の世代が10年後に後期高齢者となり在宅療養者が増えることが予想され、その結果家族への負担は大きくなります。三重県士会は、残存した機能の改善のための介護者に対するリハビリテーション指導、介護者の負担を軽減するための介護指導、あるいは在宅の介護者・施設職員の腰痛問題解決への貢献のため、実技指導を企画致します。そして更に県内のリハビリテーション専門職が在籍する施設、その専門性などを明確にし、一般市民や介護関係者が適切にサービスの選択を可能となる情報センターの設立を致します。その結果リハビリテーション専門職が地域で活躍している状況を医療介護関連職員、在宅の介護者に役立つ情報が提供できるようなシステムづくりを進める所存です。加えて地域包括ケアシステムへの貢献をめざした高いレベルの人材育成を図るために「地域包括ケア推進リーダ養成研修,介護予防推進リーダ養成研修」を開講し、加えて本年度から研修会修了者に対するスキルアップ講習会も企画しております。

また、今後の社会情勢を考えると病院の機能分化は進み、急性期病院は更に重装備の医療機器を備えた重症患者の救命を図る医療に進むと思われます。また、回復期においてはリハビリテーション専門職種である作業療法士、言語聴覚士の諸先生との連携を保つことが重要です。三重県士会は、急性期理学療法、あるいは回復期理学療法のどの段階にも貢献ができる様に呼吸循環器系の講習会などを企画し、加えて作業療法士会、言語聴覚士会との連携をも深めて参ります。

  • 研修に参加している三重県士会会員
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    理学療法特別講習会に参加し自己の研鑽。認定理学療法、専門理学療法士を目指し、努力している様子。


一般社団法人 三重県理学療法士会
会長 高橋 猛
概要
名称一般社団法人 三重県理学療法士会
設立年1979年(昭和54年)
会員数1,157 名(2015年4月1日 現在)
Webサイトhttp://mie-pt.jp/
三重県理学療法士会の思い出レポート一覧
東海北陸ブロック
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