【47都道府県】全国の理学療法士会メッセージ

1970年 学術大会

第5回日本理学療法士学会

大会テーマ 「片麻痺の装具」

昭和43年7月第1回福島県理学療法士総会の席上「45年の第5回日本理学療法士学会を福島県士会が担当するぞ」会長故山口二郎先生より、声高に宣言された時には、全員皆唖然とした。会員数8名という少人数の士会で全国の学会を開催するなど可能なのだろうか、とても無理な話、不可能と異口同音に唱えたが、山口会長の「少数精鋭、皆が知恵をだし力合わせれば何とか成る」との一喝に会長の本気さを知り、会員全員がやらなければという気になった。山口会長の威厳ある言動と統率力に圧倒されながらもその場で学会三役決定。準備委員長・総務・財務など連携を取りながら学会成功へと其々の任務に取り組んだ。地方の小さな士会が大きな想いを後世に残せる学会となるよう、理学療法士としての専門性の確立・身近な学術技術の質的向上を目指せるテーマ「片麻痺の装具」とし演題を募集した。当時福島には、全国規模の学会を開催できる会場がなく1,000人ほど入場できる福島市飯坂町の市民センターで開催された。学会経費は協会からの補助金10万円 では賄いきれず、寄付を募ったが地方においては思うように集まらず、東京士会故野本先生に同行をお願いして東京にある医療機器メーカーを巡り広告代としてご協力を戴き、学会経費に充当し開催にこぎ着けることができた。今でも故野本先生には足を向けて寝られないほど感謝している。

結果、特別講演4題、会員発表52題、学会参加者800人と盛会裏に終了した。

後に、「神聖なる学会を温泉地の飯坂で行うとはなにごとか」との批判があったと聞いた。しかし学会会場の規模、参加者宿泊等を考慮すると、福島には其処しか無かったというのが正直なことだった。また、開会式の講師祝辞で「リハビリテーションの後進地、福島で学会開催されることにこの学会の意義がある」との祝辞に、現在の若い福島の会員が何を思うか。学会開催時には、14名の会員となったが、少人数の弱小士会に於いても会員の強い結束力を持てば、大きな催しでも「臥薪嘗胆」成せばなると言うことを教えられた45年前の「第5回日本理学療法士学会」だった。

 

一般社団法人 福島県理学療法士会
第5回日本理学療法士学会 総務会計

鈴木 賢治




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