第41回日本理学療法士協会全国学術研修大会
大会テーマ 「生活機能向上に対する理学療法技術」
2001年のWHO総会において国際生活機能分類(ICF)が採択され、従来の国際障害分類(ICIDH)とは大きく概念が転換し、理学療法の分野においても多角的な視野に立った「生活機能向上」に対する実践的介入が求められていると考えテーマを捻出しました。また、すべての企画(基調講演1・特別講演3・セミナー3・シンポジウム1・特別企画4・公開講座1・公開講演1・専門領域研究7・その他1)を「生活機能に必要なファクターとして探究するものにしたい」と熱い気持ちを抱いていたのを思い出しました。(2日間で64名に及ぶ講師と司会の先生方のスケジュール調整は当日まで大変でした…)
私たちの準備委員会と「士会」は、この「全研」を実現するにあたって、大会テーマと「もう一つ」大きな運営のテーマを見出すことが出来ました。これは、ある有名な講師の勘違い(我々とは異なる組織の非礼な対応への憤怒)により「長崎にはホスピタリティが無い!」と怒られたことから始まり、懸命に「ホスピタリティ」をも探究しました。同時期に長崎県のイベントとして開催されていた「長崎さるく博」では「おもてなしの心」をテーマに掲げましたが、運営し他県よりお迎えする我々の心の中には「おもてなし」だけでは表現しきれない崇高な「ホスピタリティ」の気持ちが溢れていたことと自負しております。
長崎の開催を機に「全国研修会」の名称が「全国学術研修大会」へ、「研修会長」が「大会長」に変わった「全研」でもあり、歴史のページを改章する思いも強い大会でしたが、参加者数は2,000名(スタッフを除く)に届きませんでした。しかし、同じ日程で「リハビリテーション・ケア合同研究大会」が東北地方において開催されていたことを考えれば「安心できる数字かな…」と胸を撫で下ろした次第です。他愛のないことではありますが、歴史のページとするなら、「第41回」は長崎の「士会番号41」と同じです(報告書のページ数も故意に41に纏めました)。レセプションは歴史に残る屈指の参加者数と規模であるようです。
今思えば、今日の「介護保険」や「地域包括ケア」にしっかりと理学療法士が参入し「舵取り」の役割を果たしている現状は過言ではないと思います。先に紹介した「長崎さるく博」では県民・市民が「さるく(=出歩く)マップ」を作成したことで、「まちづくりにおいて地域住民の意識が変わり、地域に興味を持って能動的な参加をしてもらえるようになった」と評価を受けたとのことです。2006年に行った「生活機能向上に対する理学療法技術」の大会も同じく、会員を始め地域の関係者の意識を向上させ、住民参加の推進への寄与となり、今日に続く「介護保険」や「地域包括ケア」の基盤づくりの一翼を担うものであった…と信じています。
今後も地域のまちづくりの担い手となるような「士会」を目指したいと再考いたしました。
「日本理学療法士協会設立50周年」おめでとうございます。
この度の振り返りの機会を与えていただきましたことに、感謝いたします。
公益社団法人 長崎県理学療法士協会
第41日本理学療法士協会全国学術研修大会 準備委員長
大山 盛樹
長崎県理学療法士協会からのメッセージ 思い出レポートを年ごとに見る