【47都道府県】全国の理学療法士会メッセージ

1987年 学術大会

第22回日本理学療法士学会

大会テーマ 「日本における理学療法の独創性」

 第22回日本理学療法士学会は兵庫県士会が担当、武富由雄学会長と山下隆昭準備委員長の下、昭和62年5月14日から5月15日までの間、神戸市の人工の島、ポートアイランドに建つワールド記念ホールと神戸国際会議場を中心に7会場において、士会員と県下の理学療法養成校の学生ボランティアなどの協力によって開催した。

神戸学会を開催した昭和62年は、兵庫県士会が協会の地域ブロックとして発足初名乗りをあげて丁度20周年を迎えた記念すべき年であった。社会に貢献できる理学療法・士に発展させるためには、近未来の20年、学術面での意志を変革する必要がある。それは何か?学会のテーマとして「日本における理学療法の独創性」を採用した。一つには日本の理学療法をグローバルな視野に立って考えよう。二つには日本の理学療法を基礎的なものの考えに立ち返って考えよう。三つ目には、日本独自の理学療法の手法を考えよう、であった。本テーマの下、シンポジウムを企画、リハビリテーション・システムを確立すべき立場、外国人の立場、生活環境の立場、治療技術の立場、教育・研究の立場から発言する講師を招き、問題提起と考察が成された1~3。学会場では初の試みとして、一般市民、障害者およびその家族、職員、ボランティアを対象に「車椅子とその機器」を展示、公開した。またベテラン理学療法士による家庭でのリハビリや介護方法など市民向け相談コーナを設けた。神戸学会での演題数は216題、参加者数は1,600名に及び4)、盛会裡に終えることができた。

学会開催準備態勢を構築するため、学会準備委員会を設置、日常の業務の合間を縫って会運営資金を補うため寄付金を仰ぎながら予算を立て、企画実行の綿密な工程を作成、学会運営に当たった。本学会の事業成功は、協会の学術活動に貢献したばかりでなく、兵庫県地域の理学療法・士の新たな発展に歩みをすすめる原動力にもなった。

文 献:
1.  武富由雄:日本における理学療法の独創性、理学療法学14(6):455-460、1987.
2.  ポール・アンドリュー:日本における理学療法の独創性―外国人の立場からー、理学療法学14(6):471-474、1987.
3.  今川忠男:日本における理学療法の独創性―治療・技術の立場からー、理学療法学14(6):477-480、1987.
4.  日本理学療法士協会:日本理学療法学術大会の変遷、協会四十年史、2006.

 

一般社団法人 兵庫県理学療法士会
第22回日本理学療法士学会 学会長

武富 由雄




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