【47都道府県】全国の理学療法士会メッセージ

1966年 学術大会

第1回日本理学療法士協会全国研修会

大会テーマ「PT管理と運営」

※本記事は10年史(日本理学療法士協会発行)からの転載です。第1回日本理学療法士協会全国研修会と同じ内容を掲載しています。

日本PT協会学術部が中心となり、全国から約100名の会員を集め、昭和41年10月7日8日9日の三日間東大病院内において第1回研修会が行われました。開催までの日数が少なかったので充分、会員の間に立って連絡を取り、希望内容を検討することが出来なかったので、会長・理事又は上田先生、佐久間先生等の助言を得て第1回の研修内容が決定され、第1日目は「PT部門の管理、運営について」と云う大きな演題で佐久間先生から約二時間にわたり、地域社会に対する保健リハビリテーション・サービスの総合計画やNYUIPMR組織についてのお話があり、日本の現状と比較するため大いに参考になりました。その他、基本組織を分類し、人の関係を協力関係と支配関係の二つに分け各々について説明があり、仕事の効果的処理、リハビリテーション施設の分類、病院機構とリハビリテーションの関係、リハビリテーション内の組織機構、病院内に於けるPT部門の運営方針等について講義して下さいました。その後は、現在、各種病院で実際、PTとして働いている先生方即ち、東大病院の後藤氏、女子医大の山崎氏、関東労災の宮腰氏、整肢療護園の保田氏と云う、リハビリテーション施設では関東地区を代表する職場の先生が、佐久間先生の講義を参考にし、実際の管理運営についてのお話があり、その後は質疑応答が活発に交わされて午前の部は終わった。

午後は、治療器具の正しい取り扱いについてと云う題をとりあげ、PTが実際にいつも用いている器具で、ちょっとした不注意の為、又、取り扱い方が不充分の為、事故を少なくするためにということで、初めは各メーカーから器具の構造上の説明があり、その後は実際使用している先生方の取り扱い上に関する説明があった。駒沢氏(東大病院)はパラフィンバスとホットパークについて、山崎氏(リハビリテーション学院)は赤外線と超音について、最後は渡辺氏(関東労災)が車椅子について各々約一時間ずつお話を下さいまして、その間に佐久間先生やミス・ナッシュ先生からアドバイスがあったり、会員から質疑があって、第一日目は終了する。

第二日目は、脳卒中のリハビリテーションと云う特集で神経学的および運動学的側面からと云う上田先生の新しい系統化に依る講義が約3時間20分にわたって行われました。講義内容は、脳血管障害の病理学的分類と成因から始められ、傷害部位分類、症状・脳卒中の際の中枢性麻痺の特徴、しばしばみられる合併症とその対策、歩行異常と対策、一本杖歩行パターン、合併症(より特殊なもの)、リハビリテーションの基本方針、神経筋促通法と云う、脳卒中のリハビリテーションを行う者にとっては、絶対聞きのがすことの出来ないもので、もう少し時間があったならもっと詳細に分類系統化された内容の説明を聞く事が出来たのではないかと思うと残念である。もし許されるならもう一度充分時間をとって上田先生に講義をしてもらいたいと思っています。

午后の部は、ミス・リドレー先生を迎え、上田先生の通訳で脳卒中のPTとしての評価をいかにすべきかと云う題でブルンストームのテストを中心にしての講義がありました。

尚、上田先生とミス・リドレー先生の講義内容は雑誌「理学療法・作業療法」創刊号に掲載されております。

(学術部)




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