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50周年への御祝いの声

世界理学療法連盟 会長 Emma Stokes 様より

日本理学療法士協会50周年記念式典へのご招待ありがとうございます。

開会式で皆さんにご挨拶できること、そして本日、WCPT(世界理学療法連盟)事務局長のブレンダ・メイヤーズとともに日本の理学療法のコミュニティーに参加できることを光栄に思います。

初めてWCPT学会へ参加したのは1999年の横浜ですが、私にとっては理学療法における国際的な活動を始めた時でした。つい先日、WCPT会長に選出されたばかりの私の、一番はじめの公式訪問が今回です。本日、皆さんと共にいるということは、横浜の時の経験とまったく合致するものです。またさらに、皆さんの50年記念をお祝いするこの月は、私の理学療法士としての25年目の記念の年でもあるのです。

WCPTは1951年に発足しました。

世界的理学療法コミュニティーを代表するただ一つの国際団体であり、111の団体が所属しています。1970年代初頭に、日本理学療法士協会はメンバーとなりました。WCPTの中で日本は最大の会員数を持つ団体であり、私たちは皆さんが会員であることを、誇りに思い、感謝しています。

日本のメンバーシップは急激に成長しました。1973年当時、8つの教育課程しか存在せず、1,032人の理学療法士のみが、日本理学療法士協会の会員でしたが、2015年の今日では240余りの教育課程を有する大きな会員団体となっています。

また、日本理学療法士協会は私たちの最大の財政上のステークホルダーであり、私たちは非常に感謝しています。加えて、WCPTに素晴らしいリーダーシップのある人材を輩出してくれました。

・森永敏博氏はWCPTの1983-1991における役員であり、シンガポールでのWCPTアワードの受賞者です。

・奈良勲氏は1995-2003年におけるWCPT役員であり、また日本理学療法士協会会長、そして1999年の素晴らしいWCPT学会の運営責任者でもありました。

・田口順子氏は、同様に1999年の学会において組織で重要な役割を担い、世界中で活躍され、地域リハビリテーションにおける日本理学療法士協会のリーダーとして、2011年のWCPTアワードで受賞をされました。

私は、強固で活気に満ちた組織を育てた先駆者、そして現在の日本理学療法士協会のリーダーシップに感謝しています。

ごく最近、坪井大和氏がWCPTの学生と若手のネットワークにおいて地域ファシリテーターの役割を担いました。彼のオーディエンスである若手理学療法士、そして学生たちに、メッセージを送らせてください。

あなたたちは私たちの未来であり、私たちの未来は正しい手に委ねられていると心から信じています。私の国であるアイルランドでは、最近、20代、30代の若い人々が平等に関する国民投票へ参加することによって、私たちの生活が変わるところを目にしました。あなた方は変化を起こす力を持っていますが、理学療法士はその職能団体に積極的に関わらなければなりません。他の誰かの手に委ねてはいけないのです。

私は25年間、職能団体のメンバーでした。私は試験の結果が出たその週に会員となりました。日本理学療法士協会は日本における膨大な数の理学療法士のコミュニティーにおいて素晴らしい組織率を誇っています。この点に関して各国は日本に学ぶところが大きいと感じます。

また、日本は世界一の超高齢化社会であり、女性の寿命は世界一です。2030年までに皆さんの人口の20%は75歳以上になりますが、日本はこのような高齢化社会に対する戦略を進めています。1971年からは国民皆保険制度が開始されたように日本の健康寿命をかなえるための革新的な対応は世界の他の国々の見本となるでしょう。

健康的で活動的な高齢者となることを実現するためには、人々が若いうちから健康で活動的な生活を送ることが必要です。理学療法士はこのような戦略において鍵となる役割を果たします。すなわち、若い人々、壮年の人々に対する健康増進のための戦略を通じて、また(人生の)最後の数年における機能的な自立性を最適のものとすることを通じて、健康的で活動的な高齢世代を保証するのです。

個人に対して、またコミュニティーレベルでの政策立案を通じて、理学療法士は身体活動と運動への参加の促進に重要な役割を担います。政策立案者にとって理学療法士は情報の源であり、また持続可能であり健康な労働力への鍵となる貢献者です。

しかし、他の多くの国と同様に、日本において、理学療法の価値、すなわち理学療法士の臨床における、あるいは費用対効果の高いヘルスケアへの貢献は必ずしも適切な評価を得られているとはいえません。

理学療法士は理学療法に関して自立的な臨床家です。我々はより積極的に患者の生活を変えることへの関心を強めなければなりません。

この課題において、WCPTが日本理学療法士協会と、資力を共有し、理学療法士が専門性を最大に発揮できるような政策提言を構築するために協働できると考えます。私たち自身のためではなく、男性、女性、高齢者、若者……理学療法士によって生活が向上する人々のためにです。

専門職としての私たちの仕事は、単純に私達のためであっては決してなりません。正しい時、正しい方法で私たちのサービスを必要とする人々への理学療法の提供を確実にすることを求める気持ちによって、私たちは突き動かされるべきなのです。

(WCPT会長として)選出されたとき、私はスウェーデン理学療法士協会から責任感、勇敢さ、構想力を持つよう期待され、プレゼントを受けとりました。WCPT代表としてこの特別な記念式典をお祝いいたします。そして続く50年の責任感、勇敢さ、構想力を念願します。

これからの50年で私たちがどのようになるのかわかりません。しかし私たちが共にあり、並びあって、私たちの社会をよくするために、理学療法士の専門性を高めていけることを望んでいます。

ありがとうございました。

50周年への御祝いの声
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