50周年への御祝いの声
公益社団法人日本看護協会 会長 坂本すが 様より
この度、公益社団法人日本理学療法士協会が創立50周年を迎えられ、このように盛大な記念祝賀会が開催されますこと、心よりお祝い申し上げます。
貴協会におかれましては、昭和41年の設立以来、半世紀にわたり、国民の健康増進のため理学療法の質の向上や理学療法士の活動支援にご尽力されてきたことに、心より敬意を表します。
今、少子高齢化が急速に進む中、医療の提供システムも変革を迫られております。その中で、チーム医療の一躍を担う私ども看護職、そして理学療法士の皆様方に寄せられる社会の期待は非常に大きいと思います。同時にこの期待に応えて、私たち医療職本当にチームとして活躍する可能性がますます広がるのではないかという明るい希望に想像を巡らせております。
ナイチンゲールは「病気とは回復過程である」と言いました。私たち看護職も理学療法士の皆様も、患者さんの回復過程を支え、少しでも回復に向かうように日々努めております。専門性は違いますが、患者にとって最善という同じゴールを目指す同志であります。一つのチームとして、部分最適ではなく、全体最適を目指して、是非協働して全体的に患者さんの支えになっていければと思っております。
協働することは、容易いことではありません。既にチーム医療は行われていると言われますが、本当にチーム医療が機能しているのかということに対しては、疑問に思うこともあります。協働のポイントとして一つは、やはり「先を読むこと」。常に患者さんの視点に立って、今そして将来、どのような医療提供が最善かを考える。二つ目は、「手の内を見せること」。お互いの職種がどのようなことを行っているかということを見せ合うこと。私ども看護職も、常に身内だけで固まることなく皆様と共に看護の考え方を語り、また日本理学療法士協会の方々のお話にも耳を傾けることが大事と思います。三つ目は、「目線を合わせること」。全ての人が同じ考え方になるとは思いませんが、一つのチームとして合意形成していく。そのプロセスを一緒に歩みたいと思っております。
これから、病院中心から在宅医療へパラダイムシフトしていく中で、人々が住み慣れた地域で最期まで安心して暮らせるよう、私たちは人々の「生活」を見ながら、支援を行うという視点をより強化しなければなりません。時に目線を合わせながら、お互いの専門性を精一杯発揮して、最善の医療提供を目指して参りたいと思っております。
本日、日本理学療法士協会50周年の節目に先人たちの功績を振り返りながら、これからの未来の医療について共に語りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
最後に、50周年、本当におめでとうございます。
50周年への御祝いの声