第29回日本理学療法士学会
大会テーマ 「障害予防と理学療法」
青森県理学療法士会理事会において、士会25周年の記念事業として全国学会を誘致・開催することが決定されたのは、1989年10月のことでした。これを受けて準備委員会が組織され、5年後の1994年、第29回学会の開催に向けた準備活動が開始されました。
当時の全国学会の規模は、学会参加者 2,000人、演題数 400演題、予算規模 3,000万円ということで、士会員数がようやく100人を超えたばかりの青森県理学療法士会にとって全国学会の開催は一大事業であり、最大の課題は何と言っても予算と人でした。そこで、①時代に即し、かつ将来を見据えたテーマを設定し、歴史的意味を持てるような学術的課題を提示する②綿密な予算立てを行い、必要な経費を算出し、その確保に一丸となって努力する③学会開催によって士会が対外的にも組織的にも一回り成長することを目指すということを基本方針として、具体的な準備に当たることに致しました。
その後、4年にわたって学会評議員会の場で学会の企画・予算・運営についてヒアリングを受け、最終的に、学会テーマ:障害予防と理学療法、予定演題:478演題、予算案:3,288万円という計画が承認されました。開催時には、130人の士会員に学生ボランティアを加え、総勢233人で、発表演題481、参加人数1,700人、11会場での学会運営を行いましたが、大きなトラブルもなく、成功裏に終了することができました。
全国学会の成果としては、障害予防の概念を提示できたという学術的意義はもちろん、セレモニーの簡素化や経費節減を実現できたことや、学会準備作業がアナログからデジタルへ移り変わる過渡期の時代に、525の応募演題を1か月で処理して481演題を採用し、その後の1か月間でプログラム集の編集・印刷・発行を実現し、以後の全国学会運営の改善に資することができたことなどがあげられます。そして何よりも増して、学会開催への一連の取り組みを通して、士会員の横のつながりが強化され、終了後の士会活動の原動力となったことが、最大の収穫であったと思います。
一般社団法人 青森県理学療法士会
第29回日本理学療法士学会 準備委員長
對馬 均
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