第28回日本理学療法士学会
大会テーマ 「国際的視野に立った理学療法」
第28回学会では田口順子先生が女性で初めての学会長を務められました。学会準備は先生の強烈な個性とリーダーシップの下で進められ、テーマは「国際的視野に立った理学療法」となりました。当時、協会国際部長を務められていた田口学会長は、この学会を協会マスタープランにある「世界理学療法連盟(WCPT)学会の開催」の実現に向けた布石としたいとの強い意向を示されて、学会企画案には1999年の第13回WCPT学会の日本開催を目指した内容が数多く盛り込まれました。1993年の第28回学会会期に合わせてWCPT理事会を開催してもらい、WCPT会長と各地区理事には学会のゲストスピーカーとして講演していただくことによって、わが国の学会の学術水準と組織運営力そして横浜の会場をつぶさに視察してもらうという壮大な計画でした。その他にもテーマに沿ったスピーカーを海外から招聘して国際色豊かな学会となり国内外から高い評価をいただきました。その結果、第13回WCPT学会の日本開催が決定し、1999年に同じ会場のパシフィコ横浜で盛大に開催されたことは皆さんの承知しているところです。
学会には忘れられない思い出が沢山あります。今では当たり前の託児室設置はこの学会からでした。その是非をめぐっては女性準備委員の間で喧々諤々の議論がありました。男性はとても加われない熱い雰囲気であったように記憶しています。参加者も初めて2,000人を超え、急遽2,000人目の会員に田口学会長から記念品を贈呈することになりました。その他、当日の天気に恵まれた臨港パークでのシュウマイ歓迎パーティー、学会記念切手の作成と会場での販売、理学療法啓発を目的に県内の全市町村からご協力いただいた賛助金など言い尽くせません。終わりに、パシフィコ横浜は全国のコンベンションセンターの先駆けで新しくて企業展示やポスター会場も広く取れましたが、全体的に価格設定が高めで何をするにも大変苦労しました。
公益社団法人 神奈川県理学療法士会
第28回日本理学療法士学会 準備委員長兼副学会長
井上 保
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