第22回日本理学療法士協会全国研修会
大会テーマ 「理学療法の有効性」
「はぁ~、終わった…」、それは閉会式の緞帳が下りた瞬間の率直な私の感想であった。
とにもかくにも2年余にわたって緊張を強いられ、それがピークに達した会期前日を含めての3日間、もうこんな緊張感は結構!…本心からそう思う一方、無事にやり遂げた満足感と、ここまでただただ第22回全国研修会を成功に導くこと、その一点でがっちりと団結した士会仲閒への感謝の思いが胸を熱くした昭和62年(1987)、私、30歳半ばの初秋であった。
昭和59年秋、3年後の全国研修会が熊本で開催されることが決定した。高柳朔司会長(当時)から、当時学術部長をしていた私に準備委員長を任せるとの指示があり、急遽、準備委員会を立ち上げ、具体的な作業に入った。今だから言えるが、当時の理事には同窓の先輩方が居並んでおられ、その方々のレイアウトと準備委員会での議論のリードに胃痛を感じながらずいぶんと腐心した。しかし、後輩のお願いに嫌な顔ひとつせず最後まで心を合わせてくださった。これも後日のいい思い出である。
テーマについては、それまでほぼ個別の疾患や領域などに絞られてきた経緯を踏まえ、理学療法が法の下に定義されて20年余、これを検証する作業が必要との判断から「理学療法の有効性」として特別講演と4つの分科会を配置した。特別講演の講師にはハーシュバーグ法の紹介と実践で名高い三好正堂先生をお招きし、多くの視点から貴重な示唆を頂いた。それを受けての第一分科会ではそのテーマを「神経生理学的アプローチ」として、当時その有効性に対して議論百出であったボバース法に対する検証を行い、フロアを巻き込んでの熱心な意見交換がなされた。
終わってみれば、過去最多の1,339名を集めた全国研修会となった。当初、九州の地方都市で開催する全国研修会にどれ程の人が来てくれるのか、しかも台風のシーズン、とにかく地理的ハンディは企画で挽回するしかないと決めて取り組んだ、その想いが見事に結実した結果となった。
公益社団法人 熊本県理学療法士協会
第22回日本理学療法士協会全国研修会 準備委員長
小川 克巳
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