現在、国の動向である地域包括ケアシステムの構築に伴い、全国に先行した状況で事業が展開されており、地域ケア会議助言者派遣をはじめ介護予防事業支援等、積極的に対応しています。平成26年度は，17市町で開催された地域ケア会議助言者および広域支援員の派遣を行いました。特筆すべき事項として、「結果の出せるトレーニングマニュアル　ー指導者向け実践ガイドー」を刊行し、県下の通所サービス・訪問リハのみならず、一般・回復期病院までも統一した体力測定が行えるようにし、地域連携・地域包括システムの構築の一助としました。また、県下の通所サービスの実践力向上研修会へ講師派遣を行うなど、公益社団法人組織として活動しました。加えて、平成21年より臨床教育システム構築委員会（以下、委員会）を立ち上げ、臨床教育プログラムを構築しています。PhaseⅠでは、リハビリテーションマインドの伝達を重点に置き、専門的知識・技術の教育とともに、社会的認知向上を基本とした理学療法組織（日本協会・士会）の役割と組織力構築を伝えています。PhaseⅡでは、新人教育プログラム修了者を増やすことを重点とし、チーム医療を基本としたセミナーの開催・各ブロックでの（県内講師による）研修会及び症例検討会を実施しています。PhaseⅢでは、専門領域の質的向上を重点とし、既存の勉強会の支援をするとともに、学術発表支援を促しています。PhaseⅣでは、研究支援として助成金、研究費の支給を検討しています。

昭和47年に、社団法人日本理学療法士協会の下部組織として、15名の会員で大分県理学療法士会として発足しました。学術研鑽が第一との意を受け継ぎ、研修会や講習会を開催し、平成5年には、「第28回全国研修会」を開催しました。公益事業においては、老人保健法における機能訓練事業や大分国際車椅子マラソン大会のメディカルチェックの協力並びに講師派遣等の業績が認められ、大分県の指導の下、平成8年12月に社団法人大分県理学療法士協会として、法人の認可を受けることが出来ました。法人として社会のニーズに応えるべく、平成11年には介護支援キャラバンを開始、翌年、全国高等学校野球選手権大会大分大会のトレーナーサポート開始、平成17年には介護予防キャラバン開始、平成19年には全国高等学校サッカー選手権大会大分県予選のトレーナーサポート開始、平成20年に第63回国民体育大会各競技トレーナーサポートの実施と第8回全国障害者スポーツ大会コンディショニングルームの協力支援を実施しました。

これらの活動を通して、大分県体育協会医科学員会に県士会組織として介入できた事は、スポーツ場面での理学療法認知に向けて大きく前進しました。また、近年において、県の医療政策や高齢者福祉政策に委員として県士会として依頼されてきたことや、地域包括ケアシステムに係る地域ケア会議実施に向けて、県の高齢者福祉課との共同進行等により、組織として職種として認知されてきました。結果、平成25年度に行われた40周年記念事業では、県知事自ら出席頂き祝辞と我々への期待を頂くことが出来ました。学術面においては、昭和59年と平成4年・12年・20年に九州地区理学療法士・作業療法士合同学会の開催、平成8年に第1回大分県理学療法士学会を開催、平成16年には大分県理学療法学を創刊しています。そうした中で、平成23年に大分県より公益社団法人の認可を受けました。

公益社団法人組織として介護場面、スポーツ場面等での地域支援事業を積極的におこなうと共に理学療法士（組織）の社会的認知向上に努めます。加えて、ブロックにおいても県内の各市町村事業や地域包括ケアシステムに対応出来る組織体制を構築致します。地域の中で多職種と連携して県民の皆様のため質の高い保健・医療・福祉の増進に寄与するため、更なる前進をしてまいります。