福岡県理学療法士会はリハビリテーション創成期の多くのご高名な医師や理学療法士等のご指導の下、発展してきました。学術活動では、全国学会3回、全国研修会1回と数多く開催してきたことは他都道府県士会には類をみないと思われます。社会職能活動では、1995年より飯塚国際車いすテニス大会にて理学療法サービスを開設し、選手のアフターケアを含めコンディショニングのサポートに尽力してきたことが特徴的な事業です。現在も更なる質向上を図りながら選手の要望に応える理学療法サービスを提供しています。また、理学療法週間における理学療法啓発活動は先駆的な活動を行い、現在では年間通じて恒常的な啓発活動を展開し、理学療法（士）の認知度向上に努めております。様々な社会活動に積極的に参画した結果、1991年（平成3年）に社団法人として認可されました。社団法人設立記念式典では“世界の天児”と称された故天児民和先生にご挨拶を賜りました。その後も、医療制度の改正、介護保険の導入など多くの変革に対応しながら医療はもとより地域保健・福祉の発展に寄与すべく努力してきました。2009年（平成21年）1月10日（土）福岡県理学療法士連盟が設立され、以来理学療法士会と両輪となり、政治活動等積極的に行いました。全国に先駆けて福岡県理学療法士会と福岡県理学療法士連盟共催の福岡県臨床理学療法研修会を2013年（平成25年）3月3日（日）に山口かずゆき氏（現参議院議員）をお招きして開催しました。同年（平成25年）に公益社団法人として認可され、公益社団法人移行記念式典を盛大に開催しました。公益社団法人として恥じないよう、他者評価を仰ぎ、真摯に自己評価を行いながら、これまで以上に県民に貢献できる公益事業を積極的に展開しております。

福岡県理学療法士会は昭和44年に23名の会員で結成されました。会員の所属地区の内訳は、北九州19名、福岡3名、筑後1名とリハビリテーション発祥の地である北九州地区を中心に発進したと言っても過言でありません。その後、地区の編制などにより各地区の会員数も増加し、地区独自の活動も見られてきました。現在では新入会員が500名を超える状況となり、全国で3番目の会員数5,000名強を誇る一大組織となりました。

当会の歴史を簡単に振り返ると、1989年（平成元年）に設立20周年記念式典を福岡市の西新パレスで開催しました。翌年の1990年（平成2年）に福岡では初の私学の養成校（柳川リハビリテーション学院）が開校しました。当時、福岡県内の理学療法士養成校は労働福祉事業団九州リハビリテーション大学校と国立療養所福岡東病院付属リハビリテーション学院の公的な養成校が2校だけでした。理学療法士養成校の乱立を問題視していた当会理事会は、福岡県内初の私学の養成校開校に関する議題で紛糾し、明け方まで議論したとの話を伺っております。1999年（平成11年）には設立30周年記念式典を開催し、当時の橋元隆会長が大の巨人ファンであったことで（？）、吉村禎章氏をお招きできご講演していただきました。祝賀会でのビンゴ大会でサインボールをゲットした会員が大喜びしていたのを記憶しております。2007年（平成19年）は当会の大きな節目となる年で、10期20年福岡県理学療法士会をリードされた橋元隆会長から私が会長を引き継ぎ、新しい時代の執行部へ移行しました。当時は第43回日本理学療法学術大会の準備期間と重なり、私の人生で一番の多忙を極めた日々でした。学術大会では日本理学療法士協会で多大なご迷惑をおかけしましたが、当会の組織発展の起爆剤となったことは間違いなく、現在の中堅クラスの会員の良き思い出となり、若い会員への組織力向上の礎になっております。

全国第3位の会員数を誇り、リハビリテーションならびに理学療法発祥の地とも言われ、多くの著名な医師や理学療法士のご指導の下、発展してきた由緒ある会であり、現日本理学療法士協会半田一登会長の出身県でもありますので、九州いや全国のリーダー的存在としての県士会活動を目指していきたいと思っています。

2025年の地域包括ケアシステム構築に向けて福岡県内の60市町村が徐々に動き出しております。我々理学療法士が貢献できる部分を積極的にアピールし、行政・関連団体と協力しながら福岡県民の保健・医療・福祉全般における生活支援に尽力していきます。そのために、会員一人ひとりの意識を向上させ、さらに組織力を向上させなければなりません。

当会は2019年に設立50周年を迎えます。半世紀の歴史を振り返り、多くの方々に感謝し、これからますます発展し続けてまいりますので、どうぞこれまで同様ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。是非とも50周年記念式典にはご参加いただければ幸いに存じます。今後ともどうぞ、公益社団法人福岡県理学療法士会をよろしくお願い致します。