【47都道府県】全国の理学療法士会メッセージ

茨城県理学療法士会

士会の紹介

本会は、平成25年度より県の補助事業である在宅医療・介護連携拠点事業を、県内でも高齢化率25.7%と高く、リハビリテーションを含めた医療資源の少ない北茨城市を対象に、平成24年度茨城県地域支え合い体制づくり事業で設置した北茨城地域自立支援センターを拠点として会員理学療法士の午後常駐体制で活動しております。この事業では市内の多職種・機関の連携促進や地域課題の抽出と改善を図るための推進協議会・検討部会を設置し、地域のリハビリテーション専門職や非リハビリテーション専門職の連携強化と質の向上を目的とした研修会、地域のリーダーを育成するための地域リーダー研修、地域住民への在宅医療介護の啓発活動として講演会とシンポジウムを合わせた「介護予防フェスティバルin北茨城2015」の開催を土台づくりの事業として行い、仕組みづくり事業として、退院(所)前・時在宅訪問事業、共同利用型訪問リハビリテーション事業、訪問リハビリテーションサポートセンター事業などの地域リハビリテーションの実践活動を、北茨城市民病院等の関連機関と連携を図りながら、プロボノ(専門家が自らの知識やスキルを活用するボランティア活動)を展開し、その中で関わった事例の中からオープンカンファレンス形式で、目標や目標達成に向けた計画を協議・共有し、自立支援に向けた協働を調整・合意形成する場としての事例検討会も開催しました。この取り組みだけの成果ではないですが、平成25年度に16.6%であった要介護認定率が、平成26年度には16.1%に改善したことは大きな成果と考えています。

補助事業最終年度となる今年度は、「住民の通いの場」への支援を追加し更なる自助・互助の促進や、病院・診療所や消防隊員などの協力を得て、在宅医療・介護に必要不可欠な「看取り」・「急変時の対応」を住民に啓発するためのパンフレット作成も予定しており、住民の生活に密着した支援活動が出来るよう士会員総力を挙げて取り組んでおります。

  • 介護予防フェスティバルin北茨城2015の様子
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  • 退院(所)前・時在宅訪問事業の様子
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これまでの士会活動を振り返って

本会の転換点となった出来事は、平成19年度定期総会にて「公益社団法人の取得を目指す」を決議したことです。公益社団法人へ移行するにあたり、2つのミッションを実行しております。1つ目は公益性のある事業の展開を進めたことです。公益性のある事業を展開するため、業務改革委員会を設置し、組織の大幅な見直しを行い、介護予防キャラバンや市民公開講座など県民に向けた事業を展開するための組織にしました。2つ目は公益法人としての事業を展開するための事務局機能強化を図りました。それまでの事務局は事務局長所属施設としており、事務処理は事務局長およびその職場のスタッフが担っていたため、処理できる量に限界がありました。そこで、公益法人移行に先駆け事務機能の一部を業者委託としました。しかし、会員管理などの管理業務の充実は図れたものの、公益的な事業の事務機能強化までは至らなかったため、専用事務所の設置および職員雇用へと方針を変更しました。専用事務所については、茨城県看護協会に協力を仰ぎ、平成24年に茨城県保健衛生会館内に設置、翌年事務職員を雇用しました。事務所は茨城県作業療法士会、茨城県言語聴覚士会と共同事務所とし、平成27年度より茨城県リハビリテーション専門職協会が加わり、茨城県におけるリハビリテーション専門職の拠点となりました。共同事務所になったことにより、各団体の情報共有はもとより、行政機関や他の関連団体とのリハビリテーションに関する事項がワンストップとなり、連携がスムーズに図れるようになりました。また事務職員を雇用したことで、今まで部局毎で管理していた資料・予算等も事務所で把握・一元管理ができ、組織としての体制が整備されてきました。

公益法人取得のために行った2つのミッションでしたが、公益事業が行政や他団体に認められ事務機能が充実したことにより、県からの委託事業を受けられる団体へと成熟することができました。


士会の今後に向けて

本会は平成25年4月に公益社団法人へ移行しました。これから私たちは、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けた地域包括ケアシステム構築の一端を担えるよう、作業療法士会、言語聴覚士会と協働で、一般社団法人茨城県リハビリテーション専門職協会を平成26年12月に発足し、県内44市町村の窓口となるリハビリテーション専門職の配置・調整や、県からリハビリテーション専門職派遣事業の委託を受け、市町村の住民運営の「通いの場」への支援や地域ケア会議等においての助言等を行っていきます。また、現在9つある2次保健医療圏ごとのブロック活動をより活性化し、地域の実情に応じた活動・連携が図れるような体制づくりを行うこと、更に地域自立支援センターを現在の北茨城市以外の市町村にも整備を図ることで、退院支援や日常の療養支援等を行い、医療と介護の連携強化や、多職種間をつなぐ架け橋となり、安全・安心な在宅生活を推進していきたいと思います。また、平成31年に本県で開催される「第74回国民体育大会」や地域のスポーツ活動を支援すること、一般労働者の職業性腰痛等へ関与することで、小児期から高齢者まであらゆる世代の「予防、医療、介護、福祉」を支える団体となれるよう邁進していきます。

  • 一般社団法人茨城県リハビリテーション専門職協会 設立の様子
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2015年7月16日
公益社団法人 茨城県理学療法士会
会長 斉藤 秀之
概要
名称公益社団法人 茨城県理学療法士会
設立年1971年(昭和46年)
会員数1,754名(2015年4月1日 現在)
Webサイトhttp://www.pt-ibaraki.jp/
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