大阪府理学療法士会では、「地域包括支援システムでの貢献」と「理学療法教育の質的向上」の2つの課題を挙げ活動しております。「地域包括支援システムでの貢献」では、大阪府や市町村の地域包括ケアシステムの運用状況および地域ケア会議の開催状況の把握に努め、地域での理学療法士活用の促進に力を注いでおります。加えて、地域包括ケアシステムおよび介護予防推進リーダー導入研修の開催、各リーダーのアドバンス研修会によるスキルアップに積極的に取り組み、地域包括ケアシステムリーダーおよび介護予防推進リーダーの人材育成にも努めております。また「理学療法教育の質的向上」は、府士会員の管理教育の観点からリカレント教育やミドルリーダー教育を目的とした研修会の開催、理学療法教育の充実のための新人教育プログラム履修促進に継続して取り組んでおります。研修会や大阪府理学療法学術大会は、参加費用を無料として受講環境を整えるように努めおります。1989（平成元）年より続けて開催しております大阪府理学療法学術大会には、毎年1,000名を超える参加があり新人発表の場としての役割も果たし大盛況にて開催しています。

公益事業では、介護技術講習会、市民公開講座の開催をはじめ、大阪マラソン、バリアフリー展などの各種イベントに府士会員を派遣し、運営協力を行っています。一昨年度より全国に先がけて府士会独自で学校保健健診登録特別委員会を立ち上げ、学校検診実施者育成の講習会を開催し300名を超える検診実施者を登録しました。さらに、中学校からの運動器検診や講義の依頼に対して登録者の中から必要人数を派遣しました。

理学療法および理学療法士啓発事業は、啓発ポスター・チラシや機関誌、パンフレットなどを作成し毎年行政関連施設に広く配布しております。また理学療法週間事業では、ショッピングモールにおいて府民への啓発イベントを開催しております。

1966（昭和41）年に18名の理学療法士が誕生し「近畿理学療法士・作業療法士会」が発足しました。1967（昭和42）年に作業療法士会と分離し「近畿理学療法士会」と改称、1970（昭和45）年に近畿理学療法士会を解散し「大阪理学療法士会」が発足、1979（昭和54）年に会の名称を「大阪府理学療法士会」に改称しました。1996（平成8）年に社団法人の認可がされ、任意団体としてではなく法人格を取得できたことは当士会にとってとても大きな出来事となり、創設30周年に相応しい年となったのです。この前提のもと、2013（平成25）年には現在の公益社団法人として認可され、さらに公益性を求めたれる団体として成長が出来ました。

活動実績は、1979（昭和54）年には大阪府地域医療推進協議会の加盟や大阪府福祉部委託事業である「大阪リハビリテーション調査研究」を受託、「大阪府脳卒中地域ケアシステム検討委員会」事業に協力、「大阪府脳卒中地域ケアシステムモデル事業」、「寝たきり老人ゼロ推進府民会議」、「大阪府老人訪問看護検討委員会」に委員派遣、大阪府からの「脳卒中理学療法実態調査」など多数の事業を受託してきました。1995（平成7）年の阪神淡路大震災の折に、被災地へ府士会員の医療ボランティアを派遣し兵庫県理学療法士会に義援金を寄付しました。さらに2011（平成23）年東日本大震災では、日本理学療法士協会を通じて、義援金の寄付や復興支援ボランティアの派遣、理学療法士養成校と学生への支援を行いました。今も府士会では、災害対策特別委員会を継続設置して府士会員への災害意識づけのために、年1回の研修会を続け行っております。

公益社団法人大阪府理学療法士会は、2016（平成28）年に創立50周年を迎えようとしております。この長き歴史の中で、大阪府民の医療・保健・福祉の発展に寄与してまいりましたが、今後もさらに歴史を刻みながら前進をしてまいりたいと考えております。そのためにも、理学療法士一人ひとりの人格や倫理への高揚に努め、学術技能を研鑽して大阪府域における理学療法技術の普及向上を図るとともに、大阪府民の保健・医療・福祉の発展に寄与することを大きな目的として事業展開してまいります。

府士会は、日本理学療法士会の都道府県別会員数は6,562名と最も多い会員数を誇る団体であります。今後も他の都道府県士会のご協力のもと、理学療法士会の模範となるべく先進的な事業を展開していく所存でございます。

2016（平成28）年には創立50周年を迎え記念式典と祝賀会を開催致します。理学療法士の皆様方とともに半世紀を振り返り、そして発展してく理学療法の未来について語れることを楽しみに、皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。